日本研究皮膚科学会(JSID)は2017年より、全国から皮膚科研究の実施を希望する熱意ある若手を対象として、皮膚科学研究入門のためのセミナー「JSIDサマースクールあおば塾(the JSID Summer School)」を開催しています。「あおば」は夏の新緑と将来限りなく成長する若いエネルギーをイメージして名付けられました。
JSIDでは、2010年より、「きさらぎ塾」を通じて、若い研究者同士の連携強化や日本全国の研究レベルの向上を目指し、すでに一定の成果を上げてまいりました。今後、皮膚科研究がさらに活発になるためには、優秀な人材の確保が不可欠と考えます。臨床研修システムの変化に伴い、全科的に研究志向の医師が少なくなっている状況下で、研究を目指そうと第一歩を踏み入れることに躊躇する若手は相当数に上ると考えられます。そこで、新たに皮膚科研究を目指す若手を増やすことを目的に、「あおば塾」を開設し、合宿形式のセミナーを2017年より開始しました。
「あおば塾」では、皮膚科研究の開始を希望している若手はもとより、研究開始を迷っている若手も含めて全国から集まっていただき、第一に皮膚科研究の楽しさ、美しさを体験してもらいたいと考えています。多くの似た境遇の友人に出会い、中堅研究者からなる若手セミナー委員と交流を深めていただくことで、研究開始の一助になればと考えています。とくに若手同士のネットワーク構築が、若手研究者が自立していく中でかけがえのない物となることは、「きさらぎ塾」での成功体験ですでに証明されています。「あおば塾」を通じたネットワークのより早期の構築が皮膚科研究をさらに強いものにすると信じています。
「あおば塾」は先行する「きさらぎ塾」との相乗効果を期待しています。「あおば塾」での体験をきっかけにして研究を開始した若手が、将来「きさらぎ塾」でさらに研究レベルやプレゼン能力の向上を目指してもらえれば、若手を強化する二つの塾がJSIDに存在する意義がより確固たるものとなり、日本の皮膚科研究に良い影響をもたらすことに疑う余地はありません。
参加いただく方は原則各教室から1名、皮膚科研究を開始していない方、所属教室の教授からご推薦をいただくことと致します。ただし、場合によって各教室から2名の受け入れができるように応募を受け付けます。詳しくは応募案内をご参照ください。
永い付き合いになるであろう友と出会い、そして「皮膚科研究」という素晴らしいサイエンスの世界へ飛び込むきっかけに「あおば塾」がなることを心より願っています。
理事長 藤本 学
事務総長 大山 学
若手セミナー委員会
武市拓也、岸部麻里、酒井貴史、佐田亜衣子、中島沙恵子、福田桂太郎、吉岡華子